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貞山・北上・東名運河事典
ていざん・きたかみ・とうな
11 運河と島めぐり
貞山運河、東名運河、北上運河は弓なりに仙台湾に沿いながら、松島湾を貫き、石巻の北上川に至ります。いわば海岸部と内陸部の分岐線として南北に走っています。運河は、水運や新田開発の用排水路等としての本質的役割を持ち、いわば海と陸の活用融合線であったとも言えましょう。
今をさかのぼること410年以上の昔に開削が始まり、287年の歳月をかけて整備し続けてきた人々の営みが、複雑で多種多様な思惑のブレンドとして幾重にもわたる層をなし、時間の経過とともに新たな魅力を醸し続けています。
また、寒風沢をはじめとする塩釜湾の浦戸諸島は、北上川河口と塩釜、江戸までの海運の重要な中継拠点としてその役割を担ってきました。運河の道をつなぐ”海の駅”だったのです。
そして人工河川の高城川。この川は、氾濫を繰り返しては人々を苦しめた沼を広大な美田に変えた300年にもわたる品井沼干拓の苦難の歴史の象徴として、往時の姿を今にとどめています。2つの川が上下に交差して流れるサイフォン式に、先人の知恵がしのばれます。
自分なりの空間軸と時間軸を携えての運河めぐり旅は、必ず発見の喜びを味あわせてくれるはずです。
この「運河と島めぐり」のコーナーでは、その一端をご紹介します。ご覧の上、皆さんご自身で、ぜひ自分流の運河旅・島旅を楽しんでいただきたいと思います。
※ なお、ここに掲載の内容は、おのおのその当時のものです。高城川・明治潜穴・元禄潜穴・品井沼を除いた運河沿いは、東日本大震
災によって様相が大きく変わり、現在も復旧工事等のため立ち入り制限されている箇所が多く残っています。現地を訪れる際には、
事前に関係情報を十分確認されるようお願いします。
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