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貞山・北上・東名運河事典
ていざん・きたかみ・とうな
6-(5)-② 井土浦 自然環境の特徴
▲チョウヒ
▲チゴガニ
・砂浜に一部建設されている防潮堤以外は、自然の状態が極めて良く保たれ、人為の加わりもほとんど見られない地域であり、本地域の中で最も良好な自然景観を形成している。
・砂浜、干潟、潟湖、河口、塩性湿地、クロマツ・アカマツ海岸林に続く自然要素が規則的に整っている。クロマツ林の中には樹齢200年を超えるものがあるほか、ヨシ原もよく発達している。
・ハマニンニク・コウボウムギ等の砂浜植物群落、シオクグ・ハナマツナ群落、ヨシ・アイアシ等の湿地植物群落が発達している。
・水深は比較的深く、大面積の干潟が出現するのは大潮のときのみである。したがって、鳥類ではシギ・チドリ類の数が蒲生干潟と比較すると少ない。一方で、絶滅危惧Ⅱ類に指定されたオオタカやハヤブサ、チュウヒ、準絶滅危惧に指定されたハイタカ等の猛禽類の活動が確認されている。
・魚類の種類がかなり多く、潟湖定住魚のほかに外洋魚の出現する割合が比較的高い。特に、スズキ、クロダイ、イシガレイ、コチ等の幼・稚魚が出現しており、外洋漁業との関わりで重要である。
・昆虫では、汽水域に生息する環境庁レッドデータブックの絶滅危惧種であるヒヌマイトトンボがこの地域でも塩性植物群落で確認されている。この本種は、汽水域で産卵し、幼虫の時期を過ごし、6月ごろにヨシ等に登って羽化する。また、本県が、この種の北限となっている。
・底生生物では、多毛類としてはゴカイ科のイトメやゴカイが優占しており、カニ類は干潟の全域に分布しており、チゴガニが優占している。
・車の乗り入れが難しく、人の利用がほとんどない地域であるが、砂浜側にはサーファーや釣り人等の砂浜を縦断して進入する車両が見られる。
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